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外商投資企業の苦情処理について、中国政府は、商務部の職員が述べたように、以下のような認識を有している:
外資系企業の苦情処理業務は、企業の実際の利益に影響し、また地方自治体さらには中央政府全体の外部からのイメージに直接インパクトを及ぼす。それは、一方では、外国投資家のビジネス環境を改善し、外国投資家の参入意欲を高め、外国投資家が簡便に入国し、滞在・生活することを可能にし、順調に経営し、収益を得ることができるようにし、外資企業が主体的に中国の良好なビジネス環境を対外発信することで、国際競争力ある新たな「ビジネス上の魅力ある」有利さを形成することができるようにしようという、中国の決意を理解するのに役立つであろう。他方、国際投資紛争のリスクを低減するためには、中国のあらゆるレベルの政府と外国投資家との間のコミュニケーションと理解を深めることが必要である[1]。
外商投資企業の苦情処理メカニズムに関するシステムは、中国では長い歴史がある。上海市政府は、早くも1989年に、外商投資企業の苦情とその処理を指導するために、上海市民政府により外商投資企業の苦情調整センターが設置されるべき旨を定めた「外商投資企業の苦情および処理弁法(外商投资企业投诉及处理办法)」を公布した。これは、2006年に公布された苦情処理制度に関する暫定弁法(5.4参照)の萌芽ということができる。
👉5.4
[1] 深圳证券时报社有限公司、《商务部:建立健全外商投资企业投诉工作机制》(2018年) https://baijiahao.baidu.com/s?id=1606933985413494661&wfr=spider&for=pc