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3.2.2でみたように、中国の内資企業については、外貨の借入が厳しく制限されていた。
しかし、近年の規制緩和により、内資企業による外債の利用が自由化しつつある。
また、国外からの外貨建て借入金を人民元に両替して使用することについても、近時の法改正により、一般の外商投資企業とほぼ同様の扱いを受けることとなった。
外貨建て資本項目収入(資本金や外債等)の人民元への両替については、(a)「支払元転」(中国語:支付结汇)と(b)「自由元転」(中国語:意愿结汇)を選択することができる(国家外貨管理局の資本項目元転管理政策の改革および規範化に関する通知[国家外汇管理局关于改革和规范资本项目结汇管理政策的通知]第2条第3項)。
(a)「支払元転」とは、実際に支払が必要になる都度、取引の真実性に関する証憑を銀行に提出して(ただし、一回の両替額が5万米ドル以下である場合には提出不要)、必要な金額のみ人民元に両替することをいう(同第2条第3項)。
(b)「自由元転」とは、国家外貨管理局の定めた枠(暫定的に、外貨建て資本項目の100%(同第2条第2項))の範囲内で、企業が任意の時期に人民元に両替して「人民元転支払待機口座」(中国語:「结汇待支付账户」)で保有し、実際に支払が必要になる都度取引の真実性に関する証憑を銀行に提出して支払うという扱いであり(同第2条第1項、第5条第1項第1号)。
上記(a)(b)の扱いは、2015年から2016年にかけての規制緩和により可能となったものであり、外商投資企業についても内資企業についても同様である。