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3.4.6でみたように、当初、外国人投資家(および外商投資企業)は、100%内資企業を直接合併したり買収したりすることが認められてなかった。
2003年、外国投資家による国内企業の合併および買収に関する暫定規定[关于外国投资者并购境内企业的暂定规定](「暫定M&A規定」)が発行され、外国投資家が中国国内企業の株式を取得することが認められるようになった。その後暫定M&A規定が改訂され、基本的な概念はそのままに、2006年に、外国投資家による国内企業の合併および買収に関する規定[关于外国投资者并购境内企业的规定](「M&A規定」)として再発行され、さらに2009年に若干修正された。
M&A規定のもとで、外国投資家は「株式M&A」と「資産M&A」の両方を行うことが認められるようになった。前者は、外国投資家が、中国国内の内資企業の株主から株式持分を取得するか、または国内企業の登録資本の増資に参加する場合、として定義された。「資産M&A」には2つのバリエーションがありえた。外国投資家が外商投資企業を設立し、そのような外商投資企業を利用して中国国内の会社の資産を取得する場合と、または外国投資家が中国の内資企業の資産を取得し、その資産を新しい外商投資企業を設立するための現物出資として利用する場合とである。
形式のいかんをとわず、これらの取引は外国からの投資として扱われるため、指導目録の要件を充足することが求められてきた。したがって、指導目録で特定の産業分野での外商独資企業の設立が承認されないこととされている場合、そのような産業分野での外国のM&A活動は、合弁会社の設立による方法に限定される。特定の産業分野で外国からの投資が禁止されている場合、外国投資家はその産業分野の内資企業と合併したり買収したりすることはできない。一方、外国からの投資額が取引後の企業の登録資本の少なくとも25%を占める場合、外商投資企業として認定され、関連する優遇措置の対象となる[1]。
[1] (Mahony) 55