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外商投資法第21条は次のように規定する:
外国投資家の中国国内における出資、利益、資本収益、資産処分所得、知的財産権の使用料、法に基づき取得した補償もしくは賠償、清算所得等は、法に基づき人民元もしくは外貨で自由に入金・対外送金することができる。
外商投資法第21条は3.4.5と6.6でみた、(e)’外貨送金に関連する。
また、外商投資法実施条例第22条第1項は以下のように規定する。
外国投資者は、中国国内における出資、利益、資本収益、資産処分所得、取得する知的財産権使用許諾料、法に基づき取得する補償・賠償、清算所得などを、法に基づき人民元または外貨をもって自由に入金・送金することができ、いずれの組織・個人も、違法に通貨、金額、入金・送金の頻度等に対する制限を行ってはならない。
これらの条項では「自由」送金という用語が使用されているため、多くの外国投資家は、収益を送金するために無制限に外国為替に両替でき、さらに出資金を海外に自由に送金することもできると考えがちである。しかし、それはそうではないであろう。このような解釈は、本条の規定における「法に基づき」の意味を無視するものである。
例えば、日中投資協定第8条は以下のように定める:
1 いずれの一方の締約国の国民および会社も、他方の締約国により、両締約国の領域の間および当該他方の締約国の領域と第三国の領域との聞に行われる支払、送金および投資財産の清算の価額を含む金銭証券または資金の移転の自由を保証される。
2 1の規定は、いずれか一方の締約国が、自国の関係法令に従い、為替制限を課することを妨げるものではない。
「法に基づき」という言葉は、日中投資協定第8条第2項と同様の意味を持っていると言える。いわゆる「法令に従い」とは、外国投資家が、法的審査および現行の法に基づく承認または登録の後に、出資および収益を送金できることを意味する。
現在の外国為替管理体制では、基本的に外国為替取引を「経常勘定」項目と「資本勘定」項目の2つのカテゴリに分類している。3.4.5(e)’の外貨送金に関連してすでに見たように、資本項目の決済(出資金の送金など)は、原則として国家外為管理局の許可を必要とする。
外国為替管理体制の基本的な枠組み、特に経常収支と資本収支の区別は、外商投資法の施行後も維持されるであろう。
ただし、引き続き外国為替規制は簡素化されるであろう。
外商投資法実施条例第22条2項は以下のように規定する:
外商投資企業の外国籍の従業員と香港・マカオ・台湾の従業員の賃金収入その他合法的な収入は、法により自由に送金することができる。
外国人投資家と外国人従業員のいずれもが、以前よりもはるかに簡単に外国為替の送金を行うことができるようになるであろう。