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3.4.9 (i)’ 補助金の付与による国有企業の競争優位性

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米国およびEUは、外商投資企業が公正な競争をするのが難しくなるため、国有企業への補助金を廃止するよう、中国に要求してきた。

米国のウェイン州立大学のJulia Ya Qin教授によると、中国の「国有企業問題」は次のように説明することができる:

大規模な国有セクターは、中国が中央計画経済の時代から受け継いできた遺産である。中国は市場化に対して段階的なアプローチを採っている。公式には、中国の改革の目的は「社会主義市場経済」を発展させることであり、そこでは価格が市場によって設定され、国有が主ではあるが民間その他の非国有部門と共存している。中国は、外国からの投資を促進し、民間企業の発展を認め、集団企業を民間企業に転換し、国有企業の売却と破産を認める政策を通じて、国の所有権を徐々に減らしてきた。国有企業は、石油、電力、金属、化学薬品、機械などの重工業、および金融、保険、鉄道および航空輸送、通信、医療サービスなどのサービス部門で依然として支配的である。

中国の国有企業の根本的な問題は・・・大部分が非効率的だということである。・・・さらに、赤字国営企業は中国の不良債権問題の根本原因である。何年もの間、国有企業は、返済できるか否かに関係なく、国有銀行から信用の付与を受け取る権利が与えられたソフトな予算システムのもとで運営されてきた。

改革の過程で、政府は数百の大規模な国有企業を国家の主要企業として指定した。そのうちの約190は、新しく設立された国有資産監督管理委員会(SASAC)の直接の監督下に置かれる「中央企業」である。・・・SASACによると、中央企業は現代的な企業に改革され、国家安全保障、自然独占、必須の公共財とサービス、必須の天然資源、および基幹産業とハイテク産業を含む5つの指定された領域で成長することになる。さらに、「30から50の国際的に競争力のある国有または国営企業グループを育成すること」がSASACの目標である。。主要な国有企業が政府から優遇されていることは間違いない。彼らは、特定の製品を扱う際の排他権または独占権を与えられ、天然資源やその他の生産材料へのアクセスを優先的に与えられる。資金に関しては、彼らは政府から予算上の資金だけでなく国有銀行を介して低コストの与信も受けることができる[1]

政府は政策目的を推進するために補助金を広く使用しているが、それが他の国やその企業/投資家の利益に悪影響を与える可能性があることは長い間認識されてきた。そのような悪影響としては3つが確認されている。(i)補助金を受ける商品は、その国の輸入品に取って代わる可能性がある。(ii)補助金を受けた商品は、輸入国の競争力のある国内製品に取って代わることがある。(iii)補助金を受けた商品は、他の国では競争力のある第三国からの輸出品に取って代わる可能性がある[2]

👉4.6 


[1] Julia Ya Qin, WTO Regulation of Subsidies to State-Owned Enterprises (SOEs) – A Critical Appraisal of the China Accession Protocol, 7, 4 Journal of International Economic Law 863–919 (2004)

[2] See John H. Jackson, The World Trading System: Law and Policy of International Economic Relations 280-1 (2nd ed. 1997) Cambridge: The MIT Press

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